今回はカブトムシの亜種について記載します。
カブトムシの亜種とは、”カブトムシに準じる種類のカブトムシ”という意味です。そもそも『亜』という文字は、準じる・それに次ぐ、という意味があり、言い換えると、それと同様のもの、というような内容を示す漢字です。つまり、カブトムシの亜種と聞いたら、カブトムシと同じグループの昆虫だと理解するとイメージしやすいでしょう。ちなみに、亜種を英語で書くと「subspecies」となります。
カブトムシの亜種には、次のようなものがあります。
亜種の名前(学名)
・ヤマトカブトムシ(学名:Trypoxylus dichotomus septentrionalis)
本州に生息するカブトムシで、本州に住んでいる人は一番なじみのあるカブトムシになります。
ヤマトカブトムシのレコード個体は91.7mm(2017年)になります。体色は黒褐色で、光沢のある艶やかな体表が特徴的です。また、オスは頭部と胸部に2本の角を持ち、メスは小さな突起がある程度で、性的二形が見られます。
生息地は、山地の落葉広葉樹林の腐植土中に穴を掘って生活しています。成虫は、6月から7月にかけて成虫になり、主に樹液や果汁を餌としています。また、腐葉土や堆肥にに産卵する習性があり、卵から孵化した幼虫は、約8か月かけて腐葉土や堆肥を食べながら成長します。
ヤマトカブトムシは、日本の伝統的な文化においても重要な存在であり、古くからカブトムシ狩りの対象として親しまれてきました。現在では、自然保護の対象となっており、生息数が減少しているとされています。
・ツチヤカブト(学名:Trypoxylus dichotomus tsuchiyai)
鹿児島の口永良部島に生息するカブトムシ。
・オキナワカブト(学名:Trypoxylus dichotomus takarai)
沖縄本島に生息するカブトムシ。ヤマトカブトムシに比べて角が短いのが特徴で、体長はオスで30~50mmほどです。また、最近はヤマトカブトムシとの雑交が懸念され、純血種が少なくなっています。
・クメジマカブト(学名:Trypoxylus dichotomus inchachina)
沖縄県久米島に生息するカブトムシ。オキナワカブトと同様に角が短いのが特徴です。
・タイリクカブト(学名:Trypoxylus dichotomus dichotomus)
中国大陸、朝鮮半島に生息するカブトムシ。ヤマトカブトムシに似た特徴を持つカブトムシで、ヤマトカブトムシの原名亜種にあたる種です。
・ツノボソカブト(学名:Trypoxylus dichotomus tunobosonis)
台湾に生息するカブトムシ。こちらもヤマトカブトムシに似た特徴を持つカブトムシで、ヤマトカブトムシよりも角が短い傾向にあります。
・ツヤカブト(学名:Trypoxylus dichotomus politus)
タイに生息するカブトムシ。ヤマトカブトムシに似ていますが、大型になると90mmほどになります。黒い漆黒の迫力のあるカブトムシです。ペットショップなどでも入手可能な種です。
①ヤマトカブトムシ(日本の本州)
②ツチヤカブト(鹿児島の口永良部島)
③オキナワカブト(沖縄の本島)
④クメジマカブト(沖縄の久米島)
⑤タイリクカブト(中国、朝鮮半島)
⑥ツノボソカブト(台湾)
⑦ツヤカブト(タイ)
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